ハミングで、メジャースケールに沿って下降していくレッスンです。
ハミングでは、発声時の共鳴の感覚を掴むことに適しています。ハミングでは空気の出口(口唇部)が塞がれるため、口腔、鼻腔の共鳴による振動を体感しやすくなります。
歌詞を乗せて歌う場合は、母音や子音によって声道の形状が大きく変化するため、適切な共鳴の感覚を掴むのには向いていません。ですので、母音や歌詞などを乗せたレッスンの前に、ハミングによるレッスンを行うことをお勧めします。
ハミングのやり方には、大きく分けて2パターン存在します。本レッスンでは、パターン1で行うようにしてください。
舌を上顎につけず、口腔と鼻腔で共鳴が起きているパターンです。口腔が振動しているため、唇の裏側でも、ビリビリとした振動を感じられます。
パターン1(オープンハミング)と異なり、舌が上顎に引っ付き、口腔への空気の通り道を塞いだ状態のハミングです。このハミングの場合、唇の裏側への振動は全く感じられず、その代わりに、鼻の付け根など、鼻腔での共鳴を感じることができます。
自分がどちらのパターンのハミングかわからない場合は、ハミング中に唇を開いてみましょう。唇を開いても、全く音が変わらない場合は、パターン2のハミング(クローズハミング)です。
より鼻腔での共鳴感覚を掴みたい場合は、パターン2のハミングの方が適しています。他にも、高音域で力みを矯正する場合、パターン2のハミングの方が適していることがあります。
実際の歌唱においては、口腔を完全に塞いで歌うケースは少なく、ウォーミングアップとして共鳴の感覚を掴む意味合いでは、パターン1でのハミングをお勧めします。
目的に応じて、ハミングを使い分けると良いでしょう。