歌において、音程を意識することはあっても、リズムを意識できている人は、もしかすると少ないかもしれません。しかし、リズム感がしっかりと身に付くと、驚くほど歌がうまく聞こえるようになります。「歌がうまい」と言われる人は、音程感だけでなくリズム感も良いケースが多いです。カラオケでも、周りの人とは一つ違うレベルで歌を歌えるようになることでしょう。
では、「リズム感」とは一体どのようにして鍛えることができるのでしょうか。例えば「メトロノームに合わせて練習する」という方法もありますが、自分一人では本当にリズムが合っているのかどうか、判断が難しいこともあると思います。
でも、大丈夫。ボイストレーニングアプリVoickでは、メトロノームも内蔵されており、自分の歌声を可視化することもでき、さらにリズム感を効率的に鍛えることができる専用コースも準備されているので、自分一人でもしっかりとリズム感を身につけることが可能です。
ここでは、Voickに搭載されている「リズム感習得コース」の解説を行います。
まずは、ボイストレーニングアプリ「Voick」をインストールしてください。そして、チュートリアルが終わったら「リズム感習得コース」を選択しましょう。「リズム感習得コース」は、初心者の人でも体系的にリズム感が鍛えられるよう、10個のレッスンで構成されています。一つ目のレッスンから順にトレーニングしていきましょう。
四分音符にあわせて手拍子をしながら、声を出すトレーニングです。四部音符とは、1小節を4つに分けた際の1つ分の音の長さを持つ音符です。この四分音符を均等に並べた、最も基本的なリズムに合わせて手拍子と発声を行うレッスンになっています。
声は手拍子に合わせて「ワン、ツー、スリー、フォー」と発声します。
また、緑色のバーが表示されている区間は、手拍子した後、そのまま手を合わせて続けます。バーが表示されている間は、極力手を合わせ続け、次の音が始まる直前に手を離すようにしましょう。
手拍子と声が、きちんとリズムに合っているか、アプリを見ながら確認しましょう。
続いて、八分音符にあわせて手拍子をしながら、声を出すトレーニングです。八部音符とは、1小節を8つに分けた際の1つ分の音の長さを持つ音符です。
声は、先ほどの四拍子と同じ「ワン、ツー、スリー、フォー」という発声の間に「and(エァン)」という発声を入れ込みます。つまり「ワン、and、ツー、and、スリー、and、フォー、and」と発声していくことになります。
発声に合わせて、手拍子も忘れないように行いましょう!
休符とは、音を出さない区間の長さを示す音符です。音楽において、休符を意識できるようになることはとても大事です。実は、リズム感、グルーヴ感(音楽のリズム的な心地よさやノリ)というのは、休符が生み出しているとも言えるからです。
例えば、最近のポップスでも、フレーズの最後に意図的に息を「ハッ」と吐き切ってはっきりと歌を止め、聞き手に休符をしっかりと感じさせるような歌い方が増えてきています(Official髭男dismさん、藤井風さんなど)。
ですので、休符をしっかり練習することは、歌の上達においてはとても大事になります。
このレッスンは、四分音符と四分休符が交互に並んだフレーズに合わせて手拍子を行います。この際、バーが表示されている部分は手を合わせ続け、休符の部分になったらそのタイミングで手を離すようにしてください。「手を離すタイミング」をしっかり意識しながらトレーニングしましょう!
このレッスンでは、四分音符と四分休符の組み合わせで構成されたリズムを練習していきます。何度も繰り返し練習することでリズムのパターンを掴み、しっかりとリズムに乗り切れるまで練習しましょう。このレッスンでも、バーが表示されている部分は手を合わせ続け、休符の部分になったらそのタイミングで手を離すようにしてください。
このレッスンでは、四分音符や八部音符、四分休符や八部休符の組み合わせで構成されたリズムを練習していきます。何度も繰り返し練習することでリズムのパターンを掴み、しっかりとリズムに乗り切れるまで練習しましょう。このレッスンでも、バーが表示されている部分は手を合わせ続け、休符の部分になったらそのタイミングで手を離すようにしてください。八分音符が入ってくると、先ほどのレッスンよりもパターンが複雑になり、難易度がぐっと上がりますので、しっかりと練習していきましょう!
拍子の頭でリズムを取るのではなく、拍子の後半でリズムを取ることを「裏拍子、裏拍でリズムを取る」といいます。四部音符の裏拍は、今まで「and」と発声していた部分が該当します。実は、これまでのレッスンでも、裏拍でリズムをとっていた部分があったのですが、このレッスンは裏拍の部分をしっかりと意識できるようになるためのレッスンになります。
小学校の音楽の授業では、基本的に表でリズムをとって手拍子を練習することが多く、裏拍でリズムを取るのが苦手な人が非常に多いです。しかし、裏拍をイメージすることができるようになることで、歌の表現の幅がかなり広がります。四拍子でも「表」と「裏」の2箇所でリズムを捉えることができるようになるため、一つのメロディーをとっても表現のパターンが格段と増えるからです。ですので、このレッスンでしっかりと裏拍を捉えることができるようになっていきましょう。
このレッスンでは「and」の裏の部分だけ発声と手拍子を行います。ただし、表も意識しながらトレーニングをする必要があるため、表の部分は声を出さずに、頭の中で「ワン、ツー、スリー、フォー」とカウントしておきましょう。
レッスンの7~10では、レッスン1~6で練習したそれぞれのリズムが組み合わさった、様々なリズムのパターンを練習していきます。それぞれ複雑なリズムパターンではありますが、今までのレッスンと同様に、手拍子と発声を行いリズムをしっかりと掴めるようになるまで練習しましょう。これらのパターンが、しっかりとこなせるようになれば、ひとまず基本的なリズム感は身についたと言っても良いでしょう。
最終的には、体を動かしたりしながら、ノリノリの状態で手拍子と発声ができるまで繰り返しましょう。そうすることで、「リズムを取る」ということがどういうことかを身体で覚えることができるので、曲を歌う場合においても、しっかりと良いリズム感を持って歌うことができるようになります。